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「意欲があふれるきっかけ」を、福島の高校生へ
-公教育パートナーとして挑んだ、
福島県「探究EXPO 2026」企業ブース
出展レポート-

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2026年9月12日、福島県郡山市の宝来屋ボンズアリーナ(郡山総合体育館)で、福島県教育委員会主催の「探究EXPO 2026」が開催されました。県内の高校生が日頃の探究学習の成果を発表し、企業・自治体・大学と交流するこのイベントに、リンク・インタラックも企業ブースを出展しました。ALT(外国語指導助手)とともに教育の現場に関わってきたリンク・インタラックのブースでは、高校生がスタッフと本音で語り合い、自分の探究を英語で伝える姿が一日を通して見られました。当日の様子をお伝えします。

県として初めて開かれた「探究EXPO」

「探究EXPO 2026」は、正解のない問いに対して生徒自らが課題を設定し、情報の収集・分析・考察を通じて解決策を導き出す「探究学習」の成果を発表する場として、福島県教育委員会が初めて開催したイベントです。ふくしま学びのネットワーク、福島大学アドミッションセンターが共催し、郡山市が後援しました。
会場には、高校生による探究学習の発表・展示ブースに加え、業界を問わずさまざまな企業、自治体、大学のブースが並びました。参加は無料で、主役である高校生はもちろん、先生方、お子さま連れの保護者の方、地域にお住まいの方など、幅広い世代の来場者が会場を行き交っていました。

福島県「探求EXPO」入口の風景。
朝から多くの来場者であふれ、大きな盛り上がりを見せた。

「グローバル×人×教育」だからこそ届けられるもの

リンク・インタラックは、ALTの派遣をはじめとして、長年にわたり福島県教育委員会とともに県の公教育に携わってきました。県として初めての試みとなる探究EXPOにあたり、長年のパートナーとして開催に力を添えたい、協力できることは何でもしたい、という想いから出展を決めました。
多様な業種の企業が集まるなかで、福島の高校生に届けられるものは何か。考えた末にたどり着いたのは、ALTという「グローバル」と「人」と「教育」が重なる場所で事業を続けてきたリンク・インタラックだからこそ伝えられることがある、という答えでした。ブースの内容も、その考えをもとに組み立てています。

ブースに用意した2つのコンテンツ

ひとつは、ALTが協力して進めている探究学習の事例紹介です。リンク・インタラックがALTを配置している高校で実際に取り組まれている探究学習をパネルで紹介しました。近隣の公園の再生に取り組む探究や、色彩を通してベルリンの壁の見え方を変えようとする探究などです。後者は、ドイツ出身のALTが、自身が母国の学校で受けた教育の経験を生かして生徒の探究に協力しているものです。
もうひとつは、独自の診断技術の一つである「モチベーションタイプ診断体験」です(※当日は簡易版を使用)。心理テスト形式の質問に答えると、自分のモチベーションタイプ(何によって意欲が高まるのか)がわかる仕組みで、その場で結果をもとにスタッフと対話できるようにしました。

リンク・インタラックの出展ブースの様子。
パネルの前には常に3名~5名の生徒や先生、保護者の方がいらっしゃり、対話が繰り広げられていた。

「思い当たる節しかない」診断から始まった本音の対話

ふたを開けてみると、とりわけ多くの人が足を止めたのがモチベーションタイプ診断でした。当日は60名以上の人がブースを訪れ、常に4〜5人が集まり輪ができている状態が続きました。
診断結果を見た生徒からは「めちゃめちゃ当たってる…!」「思い当たる節しかない…!」と声が上がります。結果をもとにスタッフが声をかけると、「実は今、言われた通りの壁にまさにぶつかっていて…」と、抱えている課題や悩みを打ち明けてくれる生徒もいました。そこから相談が始まり、生徒とスタッフが一緒になって考え、熱のこもった議論に発展する場面が何度もありました。

ある生徒の診断結果は「シンキングタイプ」でした。スタッフが診断結果とその詳しい解説をもとにその場で読み解いていくと、「頭の中にあることを描いたり言葉にしたりするのが得意」「大きなビジョンや理想を描ける一方で、それを分解し、逆算してやるべきことを導き出すことには苦手意識を持ちやすい」「考えを深めるぶん、最初の一歩に時間がかかることがある」といった傾向が見えてきました。
「本当そうなんです」。そう話した生徒が打ち明けてくれたのは、自分たちの代でゼロから立ち上げ、代表として育ててきた活動団体を、次の世代へ引き継ぐ時期を迎えているという悩みでした。これまで積み重ねてきたことや思い描いてきたことを、どうすれば同じ熱量で引き継げるのか。高校生の悩みとしては驚くほど視座の高いもので、スタッフも感心しながら耳を傾けました。

モチベーションタイプ診断の結果をもとに、対話が盛り上がる様子。
生徒の中には「友だちも連れてきました!」と元気にブースに戻ってきてくれた子もおり、場はさらに盛り上がりを見せる。

さらに詳しく聞くと、後継の有力候補となる後輩はいるものの、自分とはタイプが違いすぎて、うまく引き継げずにいるといいます。ちょうどその後輩も会場に来ていたため、ブースに来てもらい、同じ診断を受けてもらいました。結果は、真逆ともいえる「クリエイトタイプ」。直感的で動き出しが早く、体験を通じて物事を学ぶことを好むタイプで、言葉で丁寧に説明されるほど、かえってピンとこないこともあります。チームをどう導いていくかを言葉を尽くして伝えても、思いが伝わりきらない。二人がぶつかっていた壁の正体が見えてきました。

そこでスタッフが伝えたのは、「自分が伝えたいこと」ではなく「相手に伝わる伝え方」を意識することでした。目指す姿を言葉で説明するのではなく、「こういう景色をみんなで見られるように頑張ってほしい」「チームの中からこういう声が生まれるように、周りを巻き込んでみてほしい」と、相手が情景を思い浮かべられる伝え方に変えてみる。二人は目から鱗が落ちたような表情を見せ、「じゃあ、あの話はこうすれば…」「あの時の話はもっとこうすれば…」と、その場で会話を弾ませていました。

こうした対話ができたのは、ブースに立ったスタッフ全員が、モチベーションの考え方を理解したうえで生徒と向き合っていたからです。日本人スタッフだけでなくネイティブスタッフも、同じように一人ひとりの生徒の話に耳を傾けていました。

生徒だけでなく、学校の先生もブースに訪れ、診断を受けていた。(写真左の二人)
「クラス運営や授業で、こんなふうに生かせるかも…」と先生同士で話が弾んでいた。

診断から、それぞれの探究の話へ

診断をきっかけに打ち解けた生徒たちとの会話は、自然とパネルで紹介している探究事例へと広がっていきました。ネイティブスタッフが、リンク・インタラックが協力して進めている探究学習について紹介したり、海外の学校では探究学習がどのように行われているのかを語ったりすると、生徒からも「自分たちはこんなテーマに取り組んでいる」と話が返ってきます。お互いの探究の話が響き合い、議論がさらに深まっていきました。

自分の探究を、英語で伝えてみる

ブースにはもうひとつ、ALTとして日々外国語教育に携わるネイティブスタッフの力を生かすための仕掛けを用意していました。「自分の探究学習を英語でネイティブスタッフに伝えてみよう」というワークシートです。
生徒たちは、自分の探究をどう英語で表現すればよいかを考えながらワークシートを埋め、ネイティブスタッフに向けて発表しました。ALTは普段から、英語でのコミュニケーションを通じて、生徒が話す機会をつくり、伝わる喜びを感じてもらい、主体性や自立心を育むことに取り組んでいます。

ある生徒は、はじめは少し緊張した様子でした。それでも、ブースのスタッフと一緒にワークシートを一つひとつ埋めていくうちに自信がついてきたのか、だんだんと表情が明るくなっていきます。ALTと自分の探究について語り合う場面では、知っている英単語を組み合わせ、身振り手振りも交えながら、自分の考えを何とか伝えようとしていました。
ALTもまた、生徒の言葉だけでなく、表情やジェスチャーから伝えたいことをくみ取り、生徒と一緒に対話をつくり上げようと向き合います。やがて二人の間には、「正しく伝えること」よりも、もっと互いの考えを伝え合いたいという前向きな空気が生まれ、英語での対話は15分以上続きました。

英語を用いた対話が繰り広げられる。英語での対話を終えた後に感想を聞いてみると、
「自分は英語が苦手だったけど、本当に楽しかった!海外での考え方も知れて新しいヒントを貰えた!」と語ってくれた。

「私たちのブースにも来てください」

生徒たちのブース滞在時間は、平均して10〜15分ほど。短い時間のなかでも、会話を重ねるうちに生徒とスタッフの距離はぐっと縮まっていきました。
なかには「ぜひ私たちのブースにも来てくださいよ!」とALTの手を引き、自分たちの探究発表ブースへ案内してくれる生徒の姿もありました。

子どもと向き合う大人にも届いた「一歩踏み出す勇気」

ブースに足を止めたのは、生徒だけではありません。福島県内の高校の先生や、関東地方の教育委員会の方、郡山市にお住まいで中学生のお子さんをもつ保護者の方なども、モチベーションタイプ診断の話に耳を傾けてくださいました。

スタッフからは、モチベーションタイプは人によって異なり、タイプによって「大事にしたい言葉」も変わってくること、そして診断結果をもとに言葉を使い分けることで、子どもたちに思いやメッセージがより伝わりやすくなることをお話ししました。
すると、「あぁ、なるほど。自分の場合だと、たしかにこういう言葉を無意識に使いがちだな…」「あの時も、きっとこんな伝え方の工夫ができたのかも…」と、ご自身の経験に重ねて受け止めてくださる方が多くいらっしゃいました。生徒同士の引き継ぎの場面で見えた「伝わる伝え方」は、日々子どもと向き合う大人にとっても身近なテーマだったようです。

また、ALTたちが普段どんな思いで仕事に向き合っているか、学校の子どもたちへもっとどんな機会を提供していきたいかなど、来場された先生方とALTが語り合うシーンもありました。ブースでの会話を終えた先生へ話を聞きに行ってみると、「普段学校生活の中や職員室などでALTたちと会話する機会はあるが、今日はなんだかいつもとは違う、良い話が出来た気がします」と語ってくれました。

モチベーションタイプ診断も、ALTとのコミュニケーションによる異文化への興味や「話してみたい!」という気持ちも、「子どもたちが一歩踏み出す勇気」が生まれるきっかけの一つであり、そういったきっかけがあふれる環境をつくること、子どもたちの「大事な一歩」を見落とさず、見守り、より大きく育んでいけるようサポートしていく重要性など、熱気のこもった会話が繰り広げられていました。

生徒・学校や教育委員会の先生・地域の方・保護者など、
多くの方が訪れ、それぞれの思いを語り合う光景が終始広がった。

福島の高校生の探究に、これからも伴走していく

今回の探究EXPOを通じて、探究学習に挑む子どもたちの熱量の高さ、学びや挑戦への意欲の高さに直接触れることができました。
リンク・インタラックは「公教育の民間パートナー」として、子どもたちが主体的に学び、成長していける環境づくりを目指しています。「人・技術・コンテンツ」の強みを生かし、子どもたちの主体的な学びが回り続けるための最初のきっかけをつくること。それが私たちの役割です。今回のブースでは、なかでもモチベーションタイプ診断という「技術」と、ALTという「人」の強みを、生徒をはじめ来場された方々に届けることができました。異なる文化を持つ人とのリアルな出会いや、心を通わせる対話を通じて、挑戦する勇気や自信、そして意欲があふれ出すきっかけを手渡せていたらと願っています。

ブースで語り合った生徒、教育関係者、保護者の方々からは、「この技術やALTとの対話の機会を、もっと日常に取り入れられないか」「とても興味深く、自身にも取り入れていきたい」「もっと多くの人に知ってほしい」といった声を、立場を問わず共通していただきました。

会場で出会った高校生たちは、自分のことを知り、自分の探究を言葉にし、それを英語で伝えることに、まっすぐ向き合っていました。リンク・インタラックはこれからも、福島県の皆さまとともに生徒一人ひとりの学びに伴走していきます。そして、今回のような新たな出会いをより多くの自治体、保護者、子どもたちへ届けられるよう、全国各地で取り組みの輪を広げてまいります。

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